Claude Codeのスラッシュコマンドは、定型的な操作や再利用したいプロンプトをワンコマンドで呼び出せる仕組みです。本記事では、組み込みコマンドの主要機能と、.claude/commands/ 配下でカスタムコマンドを作る手順を整理します。
結論:スラッシュコマンドは「作業テンプレート」として扱うのが最適
- 組み込みコマンド:セッション制御やエージェント操作など、Claude Code本体の機能を呼び出す
- カスタムコマンド:チーム固有のレビュー手順、調査フロー、リリース作業などを自動化する
- どちらも Markdown ファイル1枚で定義でき、学習コストが低い
組み込みスラッシュコマンドの主要機能
セッション・コンテキスト管理系
| コマンド | 用途 |
|---|---|
/help |
利用可能コマンドを一覧表示 |
/clear |
会話履歴をリセットし、トークン消費を抑える |
/compact |
長い会話を要約して圧縮し、コンテキストを空ける |
/fast |
応答速度を優先するモードへ切り替え |
/model |
使用するモデル(Opus / Sonnet 等)を切り替え |
長時間の作業では /clear と /compact の使い分けが重要です。作業を切り替えるときは /clear、同じ作業を継続しつつ文脈を軽くしたいときは /compact を選びます。
エージェント・自動化系
/loop <interval> <command>:指定間隔でコマンドを繰り返し実行。例/loop 5m /check-ci/team-onboarding:自分の使い方から、チーム向けオンボーディングガイドを自動生成(v2.1.101)/ultraplan:複雑なタスクに対し、詳細な実装計画を先に立案してから実行
/ultraplan は大規模リファクタや新機能実装のように、手戻りが致命的なタスクで有効です。計画ステップでレビューしてから実装に入れるため、無駄な試行錯誤を減らせます。
カスタムスラッシュコマンドの作成方法
カスタムコマンドは .claude/commands/ 配下に Markdown ファイルを配置するだけで作成できます。
基本構造
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description: PRの差分をレビューして改善提案を出す
argument-hint: <PR番号>
---
# PRレビュー
以下の手順でPR $ARGUMENTS をレビューしてください。
1. `gh pr view $ARGUMENTS --json title,body,files` で概要確認
2. `gh pr diff $ARGUMENTS` で差分取得
3. 以下の観点でレビュー:
- ロジックの正確性
- 命名・可読性
- テスト漏れ
4. 改善提案を Markdown の箇条書きで出力
このファイルを .claude/commands/review-pr.md として保存すると、/review-pr 123 のように呼び出せます。$ARGUMENTS は引数展開のプレースホルダーです。
配置先のスコープ
.claude/commands/(リポジトリ内):チーム全員で共有~/.claude/commands/(ホームディレクトリ):個人用・全プロジェクト共通
チーム共有したいコマンドはリポジトリ配下に置き、Git管理するのが基本です。
実用的なカスタムコマンド例
例1:リリースノート自動生成(/release-notes)
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description: 直近のコミットからリリースノートを生成
argument-hint: <前回のタグ>
---
`git log $ARGUMENTS..HEAD --oneline` の結果を元に、
以下のセクションに分類してMarkdownで出力してください。
- ✨ 新機能
- 🐛 バグ修正
- ♻️ リファクタ
- 📝 ドキュメント
各項目は「変更内容(PR番号)」の形式で記載してください。
例2:依存関係の健全性チェック(/check-deps)
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description: 依存パッケージの脆弱性と更新を確認
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1. `npm outdated` を実行し、更新可能なパッケージを一覧化
2. `npm audit` を実行し、既知の脆弱性を一覧化
3. メジャーバージョンアップの影響度を調査
4. 「今すぐ対応」「次スプリント」「様子見」の3段階で優先度付けして提案
例3:仕様書からタスク分解(/spec-to-tasks)
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description: 仕様書を読み込んで実装タスクに分解
argument-hint: <仕様書ファイルパス>
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$ARGUMENTS を読み込み、以下の形式でタスク分解してください。
- 各タスクは1〜3時間で完了する粒度
- 依存関係を明示
- tasks/ 配下に 001_xxx.md 形式で個別ファイル作成
- フロントマターに status: pending / priority を設定
例4:コミットメッセージ整形(/commit)
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description: ステージ済みの変更から Conventional Commits 形式でコミット
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1. `git diff --staged` の内容を確認
2. 変更の意図を推測し、以下から type を選択:
feat / fix / docs / refactor / test / chore
3. `type(scope): summary` 形式のメッセージを提案
4. ユーザー確認後、`git commit` を実行
運用のコツ
- コマンドは短く、1つの目的に絞る:複雑な処理はエージェントに任せ、コマンドは呼び出し口として使う
- argument-hint を必ず記載:
/help表示時の可読性が上がる - README やCLAUDE.md から呼び出し例を案内:チーム内での発見性を高める
- 定期的に棚卸し:使われていないコマンドは削除し、メンテナンス対象を絞る
まとめ
スラッシュコマンドはClaude Codeの生産性を底上げする強力な仕組みです。まずは /clear /compact /loop のような組み込みコマンドを習慣化し、次に自チームの定型作業をカスタムコマンドとして定義していきましょう。.claude/commands/ に1ファイル追加するだけで始められるので、導入のハードルは極めて低いです。