Cursor とは
Cursor(カーソル)は、AIを深く統合したコードエディタです。VS Code(Visual Studio Code)をベースに開発されており、VS Codeに慣れているエンジニアであれば違和感なく移行できます。
2022年の創業から急速に普及し、2026年現在は世界中の開発者が日常的に使うAIコーディングツールの代表格のひとつとなっています。
公式サイト:cursor.com
Cursor の主な特徴
VS Codeベースで移行が容易
Cursorは VS Code のフォークとして開発されているため、VS Code の拡張機能・テーマ・キーバインドをそのまま使えます。「乗り換えコスト」が最小限で済む点が普及の大きな要因です。
コードベース全体を理解する
Cursorはプロジェクト全体のコードを読み込み、ファイルをまたいだ文脈を理解した上でコード補完・提案を行います。単一ファイルの補完にとどまらず、プロジェクト全体の一貫性を保った提案ができます。
自然言語での対話的編集
Cursorでは3つのAIインターフェースがあります。
- Tab(インライン補完): コードを書く途中で自動的に続きを提案
- Chat(チャットパネル): サイドパネルでAIと会話しながらコードを相談
- Composer / Agent(エージェントモード): 複数ファイルにまたがる変更を一括実行
Cursor のインストール方法
macOS
- cursor.com にアクセス
- 「Download」をクリックしてmacOS版(.dmg)をダウンロード
- ダウンロードしたファイルを開き、Cursor.app をApplicationsフォルダにドラッグ
- Cursor を起動し、アカウント作成またはGitHub/Googleアカウントでサインイン
Windows
- cursor.com から Windows インストーラー(.exe)をダウンロード
- インストーラーを実行して画面の指示に従ってインストール
- 起動後にサインイン
Linux
AppImage または .deb パッケージで提供されています。
# Ubuntu/Debianの場合(.debパッケージ)
sudo dpkg -i cursor-*.deb
VS Code からの設定引き継ぎ
初回起動時に「VS Code の設定・拡張機能・テーマを引き継ぐか」を聞かれます。「Import from VS Code」を選べば既存の設定を1クリックで移行できます。
主な機能の使い方
Tab 補完(インライン補完)
コードを書いていると、薄いグレー色で次のコードの提案が表示されます。
- Tab キー: 提案を受け入れる
- Esc キー: 提案を却下する
- Ctrl+→: 提案を単語単位で受け入れる
Cursorの補完はプロジェクト全体の文脈を読んで提案するため、変数名や関数名の一貫性を保った補完が得られます。
Chat(チャット機能)
Ctrl+L(Windows/Linux)または Cmd+L(Mac)でチャットパネルを開きます。
# 活用例
「このAPIエンドポイントにバリデーションを追加して」
「このクラスをTypeScriptに変換して」
「このコードのパフォーマンスを改善する方法を提案して」
コードの一部を選択してからチャットを開くと、選択した部分を自動でコンテキストとして渡せます。
Composer / Agent Mode(エージェントモード)
Ctrl+I(Windows/Linux)または Cmd+I(Mac)でエージェントモードを起動します。
複数ファイルにまたがる変更を一括で実行できる最も強力なモードです。
# 活用例
「認証機能をJWTベースに変更して。関連するすべてのファイルを更新して」
「このリポジトリのREADMEを見てTypeScript化できるファイルをすべて変換して」
「ユニットテストがないファイルを探して、テストを書いて」
Cursorがファイルをまたいで変更案を提示し、ユーザーが確認・承認するフローになっています。
@-メンション機能
チャット・Composerで @ を入力すると、以下を指定してコンテキストを追加できます。
@ファイル名: 特定のファイルをコンテキストに追加@フォルダ名: フォルダ全体を参照@Web: Web検索で最新情報を参照@Docs: 特定のドキュメントサイトを参照(公式ドキュメントURLを指定)
料金プラン(2026年3月時点)
| プラン | 月額 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Free(無料) | 無料 | 基本的なAI機能・制限付き利用 |
| Pro | $20/月(約3,000円) | 高速AIリクエスト月500回・優先アクセス |
| Business | $40/ユーザー/月 | チーム管理・高セキュリティ・管理コンソール |
無料プランの制限
無料版でもCursorの主要機能は使えますが、AIリクエストの回数に制限があります。日常的に使い始めると上限に達することが多く、本格利用にはProプランが現実的です。
学生向け割引
一部の学生向けプログラムで無料・割引利用が可能な場合があります。公式サイトで最新情報を確認してください。
GitHub Copilot との違いと使い分け
基本的な違い
| 比較軸 | Cursor | GitHub Copilot |
|---|---|---|
| 種別 | 独立したエディタ | IDE拡張機能 |
| 既存IDEへの統合 | 不可(Cursor自体がエディタ) | VS Code等に追加 |
| エージェント機能 | Composer/Agentが充実 | Agent Mode(2026年追加) |
| 無料枠 | 制限付き無料 | 月2,000補完・50チャット |
| 月額費用(個人) | $20(Pro) | $10(Pro) |
| コスパ | AI機能を多用するなら高コスパ | 既存IDE派には有利 |
どちらを選ぶか
Cursorが向いている人 - AIを中心に据えた開発ワークフローを作りたい - Composerのようなエージェント機能を本格的に使いたい - 新しいエディタを使い始めることに抵抗がない
GitHub Copilotが向いている人 - すでにVS Code・JetBrainsを使っており乗り換えたくない - 職場のチームでGitHubを使っている - コスト効率を重視する(Copilot Freeから試せる)
両方使う戦略 実際には「職場ではGitHub Copilot(VS Code)、個人プロジェクトではCursor」といった使い分けをしている開発者も多くいます。
Cursor を最大限活用するコツ
.cursorrules ファイルを活用する
プロジェクトルートに .cursorrules ファイルを作成すると、AIへの永続的な指示を設定できます。
# .cursorrules の例
- TypeScript を使う
- 関数コンポーネントのみ使用(クラスコンポーネント禁止)
- テストは Vitest を使う
- コメントは日本語で書く
これにより毎回の会話で同じ前提を説明する必要がなくなります。
コードのレビューに使う
PR 作成前に「このコードのセキュリティリスクを確認して」「パフォーマンスの問題点を指摘して」と依頼することで、簡易的なセルフコードレビューができます。
エラーログを貼り付けて解決する
エラーメッセージをコピーしてチャットに貼り付け、「このエラーを修正して」と依頼するだけで、原因の特定から修正コードの提案まで行ってくれます。
まとめ
Cursorは、AIをエディタの中心に据えた次世代の開発環境です。VS Codeベースのため移行コストが低く、エージェントモードによる複数ファイルへの一括変更が特に強力です。
まずは無料版をダウンロードして試してみてください。VS Codeから1クリックで設定を引き継げるので、乗り換えのハードルは思いのほか低いはずです。